Hizuru Pilgrimによる徒然なるブログ。
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序章 僕らはサード・サマー・オブ・ラブの時代を生きていた
<第一部>
第一章 初音ミクが生まれるまで
第二章 ヒッピーたちの見果てぬ夢
第三章 デイジー・ベルからボーカロイドへ
第四章 初音ミク誕生前夜
2007年1月にヤマハは新たな歌声合成エンジン「VOCALOID 2」を発表する。初代よりも人間に近く、よりなめらかで自然な歌声を再現できる技術だ。しかし、ソフトウェアが売れるかどうかは未知数だ。ヒットしなかったら開発がストップするかもしれない。クリプトンもその危機的な状況は共有していた。そんな中で、初音ミクは「キャラクター・ボーカル・シリーズ」と銘打たれたラインナップの、最初のキャラクターとして開発が進んでいった。単なる音声合成ソフトウェアではなく、声優・藤田咲さんのロリータボイスを採用した、バーチャルアイドルとして彼女は位置づけられた。
発売と同時に火がついた要因はどこにあったのだろうか?初音ミクに飛びついた最初のボカロPたちはどこにいた人たちだったのか?そこには、もう一つ、初音ミク「前夜」に育っていた土壌があった。それは00年代の前半から中盤にかけて徐々に拡大してきた「同人音楽」という文化フィールドだった。そこには誰もがクリエイターになれる機会があった。それだけでなく、CGM(消費者生成メディア)やUGC(ユーザー生成コンテンツ)という言葉が生まれる前から、すでに同人音楽シーンはその定義通りの場所として成立していた。そして、何よりDTMで音楽を制作するクリエイターたちには、「電子の歌姫」を渇望する素朴な欲求があった。
そして、初音ミクが現象を巻き起こす最大の要因になったのが、ニコニコ動画の登場だった。ニコニコ動画でボーカロイドよりも先に花開いていたのは、MAD文化だった。アニメ主題歌やゲーム音楽を中心に様々なMADが投稿されたが、その中でも最も人気を集めたのが、アイドル育成シュミレーションゲーム『THE IDOLM@STER』の関連動画だった。アイドルマスターとアイマスMADのブームを経て、「二次元のバーチャルアイドルを『プロデュース』する」という欲求と需要は大きく広がっていた。キャラクターの歌声を求める下地は、ニコニコ動画という場にすでに用意されていた。だからこそ、初音ミクは当初から爆発的なヒットを記録したのだ。第一部は、主に初音ミク誕生以前の文化的背景についてのお話。60年代アメリカのヒッピーカルチャーとロックを主体とした「サマー・オブ・ラブ」と、80年代イギリスのクラブカルチャー「セカンド・サマー・オブ・ラブ」が、ボカロシーンとどのような関連性が見てとれるのか?「セカンド・サマー・オブ・ラブ」に関しての言及は少なく、主に60年代アメリカとの関連を指摘する箇所が多い印象でした。世界初のコンピューターの歌声や、この記事では端折ってしまいましたがムーグシンセに言及する部分も60年代アメリカでの出来事。キーワードは『新しい遊び場』『自由なコミュニティ』『DIY精神』そして『テクノロジーの進歩』といったトコロでしょうか。第四章からいよいよ現代に戻り、初音ミクの起してきた“現象”を追体験していきます。Tweet
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プロフィール
HN:
Hizuru Pilgrim
性別:
男性
自己紹介:
09年インディーズレーベル"What a Wonderful World"を立ち上げ、同名のコンセプトアルバムをリリース。トラックメイキングの傍らドラムンベースDJも少々。
現在はmirgliP名義でのボカロ曲投稿を中心に活動中!これまでの投稿動画はコチラ
twitter : @mirgliPilgrim
Mail : pilgrim_breaks@hotmail.co.jp
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